山中湖村の図書館(山中湖情報創造館)で借りた本。面白かった:
著者は話題になった大迫力映画「パーフェクト ストーム 」の主人公船長のライバル女船長のモデル。アメリカではベストセラーとなった。メカジキ漁を17年間続けた辣腕女船長が出身地の島(メイン州オ・ホウ島)に帰りロブスター漁をはじめる。目的は島に定住し結婚して子供を作ること。美人(写真を見よ)でユーモア精神にあふれる女性だが、なかなかうまく行かない。なにせ島には三人しか独身男性はおらず、そのうち二人はゲイ、残る一人は自分の従兄とくる。島には定住者・季節滞在者ともにいかれたアホが多くていらいらする。ロブスター漁は仕掛けの準備と設置と回収にとても労力が掛かる。文句を言わない定年退職した父親をクルー(スターンマン)としてこき使うがなかなか儲からない。しょちゅう悪態をつきながら女船長は頑張る。
オ・ホウ島の場所はここ(↓)。ニューヨークからそれほど離れているわけでもないが、完全な過疎地。島民は40名しかいない。それでも補助金なんか当てにせずにロブスターの揚がりだけで生活している。自分の食い扶持は自分で稼ぐというアメリカ資本主義の精神はまだまだ健全である。
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蛇足。女船長がデイト相手をやっと見つけ自宅の夕食に招待するが、慣れない食事の準備にアプセットして、プロパンのボンベを替えようとネジを左に回すが外れずネジを潰してしまうくだりがあった。プロパンガスのボンベは右に回すと外れる構造になっている。おいらでも知っているのに、辣腕女船長は知らなかったみたい。たぶんアメリカの漁船はプロパンガスなんか積んでいないのだろう。それとも久しぶりのデートによほど舞い上がってしまったのか。
感心したこと。この島の漁船はみんな沖係留(沖留め)しているのだ。乗り込むためにはテンダー(足船)で漁船まで出向く。荷物の積み込みは公共岸壁まで船を移動させてやる。日本ではどんな辺鄙な漁港に行っても漁船は岸壁係留されている。農村・漁村に莫大な公共事業が行われたからだ。そのくせガラガラに空いている岸壁にプレジャーボートが係留しようとすると拒否する漁港が多い。日米バラマキ公共事業の差。これが自然が守られているアメリカの海岸とコンクリートだらけになってしまったニッポンの海岸線の違いを生み出した。
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