「田舎暮らし」の参考書はごまんとあるが、なぜか「山中湖暮らし」の本はない。この問題意識がこの本を書かれる出発点となったとのこと。確かにその通り。世にあふれている「田舎暮らしの本」は、ほとんど例外なしに「農村暮らし」の参考書。「山中湖暮らし」とは全く違うものなのである。
山中湖暮らしの大先輩であり、さすがに参考になること多々。感謝です。
でもちょっとだけ、おいらなりの蛇足を付け加えて見たい:
- ほとんど旭日丘周辺(向切詰地区)の生活について書かれているが、山中湖には他にも別荘地として山中地区、長池(大池)地区、平野地区、パノラマ台地区など多数あり、自然環境と住環境が非常に異なる。別荘の管理体制とスタイルも相当違う。一般読者はそれを知っておいて欲しい。
- 例えば著者が悩まされている湿気と虫の問題だが、長池(大池)地区の南西斜面では水はけと日当たりが良くほとんど乾燥しているので虫はそれほど目立たない(東京並み)。押し入れの湿気もホームセンターで売っている除湿箱で十分対応可能。冬期に家が暖まるまで長時間かかるとのことだが、大池では管理会社が来荘前に暖房の点火と水出しを無料でやってくれるので山中湖に到着するとすぐに暖かい生活が始まる。南西斜面に直射する日光で冬でもロフト部分は暑くなりすぎるぐらい(だから冬は天井扇風機を回す)。薪ストーブより薪ストーブ型煙突石油ストーブの方が絶対にいい。
- 地元住民との交流。これについて若干ニュアンスのある表現が目立ったが、端的に言って、おいらは全く満足している。別荘族は「しょせん余所者」。これは東京でも同じ。余所者を「ビジネスの対象」として礼儀正しく親切に受け入れてくれるところが山中湖村のいいところなのである。期待値を高め過ぎると失望することとなる。
ともあれ、山中湖村は都会人が憧れる「田舎暮らし」の場所として理想的な場所であると思う。これは山中湖村は「農村」じゃないところから来る。自然環境はイナカでありながら人々は都会的なのである。団塊の世代諸君、定年後へんに本当の農村に移住すると、後でとんでもないことになるよ。
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