2006年8月20日日曜日

ヤマガラ君の写真



ようやくカメラが手元に届いたのでヤマガラ君の写真を撮る。



設定を間違えたので真っ黒に写っていたが、iPhoto で補正。かわいらしいでしょう。こいつは人なつっこくて、平気で寄ってくるので写真に撮りやすい。

Posted: Sun - August 20, 2006 at 04:34 PM   Letter from Yochomachi   野鳥観察   Previous   Next  Comments

2006年8月19日土曜日

「永遠に、幸せになりたかったら……」(中国古諺)



開高健の『オーパ!』からの孫引き。永遠に幸せになりたかったら、どうしたらいいのでしょうか?

曰く:
一時間、幸せになりたかったらら
酒を飲みなさい。

三日間、幸せになりたかったら
結婚しなさい。

八日間、幸せになりたかったら
豚を殺して食べなさい。

永遠に、幸せになりたかったら
釣りを覚えなさい。

「三日間」のやつが特に面白い。最近の若い人はどんどん晩婚になっている そうだが、彼ら分かっているのだ!

釣具店から電話。スピニング・ロッドの修理が終わった由。永遠に幸せにな るため、また始めるか。

2006年8月17日木曜日

秋月岩魚『警告!ブラックバス汚染』……怖い、バスではなくこういう人が怖い!



著者は、ずっと前から日本の「ブラックバスの完全撲滅」と「全国一律のバス釣り禁止」を主張している人物。これが多くの市民団体の支持を集めてバスを駆除する動きが全国に広がり、いまやバスが安心して住める場所は日本で芦ノ湖、河口湖、西湖、山中湖の4個所となってしまった。それでも著者はまったく不十分だとして「完全撲滅(全面駆除)」を執拗に主張する。イスラエルの生存権を認めないヒズボラみたいな人だ。

この本:
警告!ますます広がるブラックバス汚染
警告!ますます広がるブラックバス汚染秋月 岩魚 半沢 裕子

おすすめ平均 
stars気分が悪くなる
stars釣人でなくても気分が悪くなると思う。
stars駆除派のオピニオン本
starsバス問題の最新動向を理解するための決定的書

Amazonで詳しく見る
 by G-Tools


散人は、最近山中湖で釣りを始めたばかりで、たまたまいる魚がバスだったというだけのバス釣り人。ブラックバス問題については十分に知っていると言うつもりはないし、バス釣りについてそれほどの思い入れもない。でもこの本を読んで、その内容以上に、著者の狂信的とさえ言える「自分は絶対に正しい」スタイルに辟易した。著者は、彼がバス容認派と見なす人物については、政治家、学者、釣り業界関係者、漁協関係者、政治家、マスコミ人、作家の開高健、漫画家矢口高雄、さらには一般人のバス釣り愛好家など、一人一人実名を上げて、執拗に攻撃する。中には人格攻撃と見なさざるをえないようなものまである。ナチの「民族浄化」運動すら思い浮かべてしまった。彼の熱狂的支持者も多いようだ。日本はいつからこんな国になったのだろうか。

散人としては、この本の中で否定的に引用されている吉田幸二氏の次の文章によほど共感した(小学校の先生の言葉の引用):
「みんなには『自分の大切なもの』がありますか?(中略)ぼくにとって、大切なものは、趣味である『釣り』です。
今、好きな釣りは『ブラックバス』という魚を釣ることです。実は、日本に昔からいた魚を食べてしまう!!といわれていて、一部の人たちから嫌われている魚でもあるのです(社会の授業で話したね!)よく、『悪い魚なんでしょ?』とか『釣ったら退治した方がいいよ!』とか言われます。そんな時には、『地球上に悪い魚なんていないよ! 人間にとって都合の悪い魚はいるけどね……』と答えることにしています。

ブラックバスもアメリカでは美味しい魚として食べられている。日本でももっと食べるようにすると、みんな親近感が湧いてくるんじゃないかな〜。ニジマスも鯉も全部外来魚だそうだ。でも食べる習慣があるから許して貰っている。西湖にはブラックバスを食べさせるレストランがあるそうだ。今度探していってみよう。

追記:山中湖ではブラックバスとワカサギが共存関係にある。ワカサギはブラックバスの餌だが、さすがのブラックバスも食べきれないほどたくさんいるので、いっこうに減らないとのこと(ハーバーマスターの言)。

Posted: Thu - August 17, 2006 at 06:20 PM   Letter from Yochomachi   TV, Cinema & Books      Comments (5)

2006年8月12日土曜日

"Study to be quiet(穏やかになるために学べ)"……これはアイザック・ウォルトンの言葉じゃなかった!



なんかマニアックな話題。世界 の釣り人のバイブルとして300年以上愛読され続けているアイザック・ウォルトンの『釣魚大全』の結びの言葉として日本の釣り人達の間で広く引用されてい る言葉。最初に引用したのは開高健か。でもこれはウォルトンの言葉ではない! 今日の大発見。

最近釣り関係の本を読むことが 多いが、この「Study to be quiet」がやたらにいろんな釣り関係の本に引用されている。ウォルトンの『釣魚大全』の結びの言葉だというのだが、手持ちの森秀人訳『完訳釣魚大全』にはこの「有名な」結びの言葉は入っていな い。開高健がウォルトンの言葉として引用したのが始まりのようだが、どうもおかしい。で、いろいろ調べてみた。これはウォルトンの言葉ではない。新約聖書 「テサロニケ人への手紙」に出てくる言葉なのである。

証拠:http://bible.cc/1_thessalonians/4-11.htm 

これはウォルトンの原文には入ってなかった言葉のよう だ。出版社が最後のページの飾りとして挿入した聖書の引用らしい。欧米人にとっては聖書の言葉であることが自明であるので、ウォルトンの言葉としては考え られていない。だからネットでこの言葉を検索しても釣りに関係して出てくるのは日本語のページばかり。

最近バス釣りを始めたので釣り関係の本を読むことが多 い。でも、気になるのはこういう釣り「有識者」に共通する攘夷思想(端的に言えばブラックバス排斥思想)。そのくせイギリスのウォルトンはやたらに引用し ている。でも、その引用は間違いなのでした。もっと勉強しようね。

2006年8月11日金曜日

青柳純『ブラックバスがいじめられるホントの理由—環境学的視点から外来魚問題解決の糸口を探る』……これ良書



大学生の卒業論文が本になって注目を集めている。著者は滋賀県立大学環境科学部環境計画学科環境社会計画専攻の大学生だったが、その時琵琶湖のブラックバスリリース禁止裁判問題を仔細に研究。その卒業論文をベースにこの本が出来ている。内容は幅広く公平で且つ深みがある。この問題についてはヒステリックな議論がまかり通っているが、環境の専門家でも現実的な人もいると言うこと。後生畏るべし。


ブラックバスがいじめられるホントの理由—環境学的視点から外来魚問題解決の糸口を探る
ブラックバスがいじめられるホントの理由—環境学的視点から外来魚問題解決の糸口を探る青柳 純


Amazonで詳しく見る
 by G-Tools

「生物多様性」、「漁業組合」、「釣り人」の三者の利害対立がうまく分析されている。現在多くの府県で「生物多様性」と「漁業組合」の連合が「釣り人」と対立するという構図になっているが、河口湖、野尻湖(また山中湖)などでは「漁業組合」と「釣り人」の連合が成立しているし、基本的にこの構図の方が自然であるとの見方。「生物多様性」の定義が曖昧だが、多様性は危機に瀕している種を特定の湖沼で保護すればいいと示唆。とても現実的な分析である。

Posted: Fri - August 11, 2006 at 05:44 PM   Letter from Yochomachi   TV, Cinema & Books       Comments

2006年8月6日日曜日

山中湖:ビキニが交通渋滞を招く?



今日は日曜日。さすがに人出が多かった。湖周道路のクルマの流れはとてもゆっくり。交通渋滞とまでは行かないが、みんな馬鹿みたいにゆっくり走っている。何故か? ビキニが多すぎるのだ。

多かったですね〜。ビーチばかりじゃなく、湖周の138号線沿いの歩道なんかまで、そう言う若い人達であふれている。みんなそれに注目してスピードを落とすので自然にのろのろ運転となる。パトカーまでがそう。

ビキニは、交通渋滞につながるのか、それともみんな速度を落とすので交通安全につながるのか、はたまた不注意運転につながるのか? それは交通安全協会の研究課題だな。

2006年8月2日水曜日

清水國明『釣戦記、ブラックバス琵琶湖リリース禁止裁判』……何だかユウツになる読後感



山中湖情報創造館で借りた本。バス釣りの本かと思ったら、ブラックバス虐め集団ヒステリーに果然として立ち上がった一人のドンキホーテーのお話し。しょせん多勢に無勢、勝ち目はない。でもこういう人がどんどん出てこないとニッポンの将来は危うい。

この本:
Amazon.co.jp: 釣戦記—ブラックバス琵琶湖リリース禁止裁判: 本: 清水 国明: "「琵琶湖で釣ったバスはリリースしてはならない」魚を水に戻す自由を釣り人から奪う滋賀県の条例に異を唱え、行政訴訟を起こした著者が、第1回公判までの軌跡をつづる渾身のドキュメント。その過程で明らかになってくる、さまざまな事実。琵琶湖を本当に破壊し、食い物にしてきたのは誰だったのか。 "

日本のほとんどの動植物は外来種だ。家畜もそうだし、皆が楽しんでいる植物もそうだ。当然お魚の多くも外来種。人間だってそうだ。ブラックバスも外来魚だが、いまや日本の自然の一部となっている(ニジマスやアユや鯉と同じ)。セイタカアワダチソウもそうだ。アメリカザリガニも。ウマも西洋犬もそうだ。ところがブラックバスについては日本攘夷思想の憎むべき対象となってしまった。

こういう科学的な議論は別にして、ブラックバスを殺したくないと感じる人達にリリースを禁止して殺すことを強制する滋賀県の条例は、普通に考えて明らかにおかしいと思う。ところが清水国明がこれを言ったとたん、彼のHPは数万件の罵詈雑言書き込みで閉鎖に追い込まれたという。明らかに集団ヒステリーが日本を支配している。

NHKの朝ドラ「純情きらり」は近年にない良い朝ドラである。芝居としてもすぐれているし、演技が本格的。主人公もとてもいい。何よりもいいのは、日本にもああいう時代(一億総火の玉、反対するのは非国民という時代)があったということを見せてくれること。

「ブラックバスは悪者、全部殺してしまえ」というPTAおばさんが大好きな環境「主義者」の主張も、これ似ている。「異文化であるブラックバスを排斥することはいいことなのだと」いう主張が、利権団体とその御用環境学者の連携プレイのおかげで、ニッポンの「隣組」思想として確立してしまっているのである。

このようなアホな議論を続けざるをえないことで、日本国は壮大なエネルギーの無駄遣いをしているのだ。これじゃ国際競争に負けるわ。

Posted: Wed - August 2, 2006 at 08:09 PM   Letter from Yochomachi   TV, Cinema & Books       Comments (4)