2006年8月12日土曜日

"Study to be quiet(穏やかになるために学べ)"……これはアイザック・ウォルトンの言葉じゃなかった!



なんかマニアックな話題。世界 の釣り人のバイブルとして300年以上愛読され続けているアイザック・ウォルトンの『釣魚大全』の結びの言葉として日本の釣り人達の間で広く引用されてい る言葉。最初に引用したのは開高健か。でもこれはウォルトンの言葉ではない! 今日の大発見。

最近釣り関係の本を読むことが 多いが、この「Study to be quiet」がやたらにいろんな釣り関係の本に引用されている。ウォルトンの『釣魚大全』の結びの言葉だというのだが、手持ちの森秀人訳『完訳釣魚大全』にはこの「有名な」結びの言葉は入っていな い。開高健がウォルトンの言葉として引用したのが始まりのようだが、どうもおかしい。で、いろいろ調べてみた。これはウォルトンの言葉ではない。新約聖書 「テサロニケ人への手紙」に出てくる言葉なのである。

証拠:http://bible.cc/1_thessalonians/4-11.htm 

これはウォルトンの原文には入ってなかった言葉のよう だ。出版社が最後のページの飾りとして挿入した聖書の引用らしい。欧米人にとっては聖書の言葉であることが自明であるので、ウォルトンの言葉としては考え られていない。だからネットでこの言葉を検索しても釣りに関係して出てくるのは日本語のページばかり。

最近バス釣りを始めたので釣り関係の本を読むことが多 い。でも、気になるのはこういう釣り「有識者」に共通する攘夷思想(端的に言えばブラックバス排斥思想)。そのくせイギリスのウォルトンはやたらに引用し ている。でも、その引用は間違いなのでした。もっと勉強しようね。

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