2007年11月12日月曜日

天皇陛下のブルーギル持ち込み反省声明……ニッポンの「環境主義者」はスメラミコトの真意を曲解している



このニュース:
asahi.com:「琵琶湖のブルーギル繁殖心痛む」 天皇陛下ごあいさつ -: "天皇陛下は、外来魚ブルーギルが異常繁殖し、琵琶湖の漁獲量が大きく減ったことに触れ、「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したものであり、当初、食用魚としての期待が大きく養殖が開始されましたが、今このような結果になったことに心を痛めています」と述べた。"
滋賀県知事なぞのアホ環境主義者はまるで鬼の首を取ったかのような喜び様だが、天皇陛下がホントに言いたかったことを理解していないように見える。

アホ滋賀県知事は「天皇陛下が反省声明はとても勇気のある発言だ」とまるで自分が褒められたみたいに狂喜しているが、天皇陛下の真意は明らかに別のところにあった。この発言を読めば分かる:
asahi.com:「琵琶湖のブルーギル繁殖心痛む」 天皇陛下ごあいさつ - : "宮内庁によると、天皇陛下は皇太子時代の1960年にアメリカを訪問した際、シカゴ市長からブルーギルを寄贈され、食用や釣りの対象になればと水産庁の研究所に寄贈した。滋賀県によると、1963〜64年、国から琵琶湖の県水産試験場にブルーギルが分与された。なんらかの経緯で60年代末までにブルーギルが一般水域で確認されるようになったという。

天皇陛下は一般水域に入ったブルーギルが生態系を壊したことについて以前から残念に思っており、側近に「おいしい魚なので釣った人は持ち帰って食べてくれれば」などと話していたという。"

そうなのだ。なぜスメラミコトのご配慮を無視して滋賀県人はブルーギルを食べないのだ? あいつら環境主義者のサイトを読むといかにブルーギルが悪臭を放ついやらしい醜い外来魚であるかばかり、一生懸命書いている。つまりブルーギルやブラックバスは醜悪なエイリアンだという宣伝をして国民大衆の憎しみを煽るかがポイントなのである。滋賀県知事も同じ類だ。

ブルーギルを学校給食に出そうとする企画は聞いたことがある。それはむしろ、子供に「外来魚はいかにまずいかを”言わせるため”だけの茶番劇だったようだ。クジラを学校給食に食わせて食育担当の先生が強引に生徒に「おいし〜」と言わせる茶番劇(さもないと内申評価が下がるぞとの脅しで)とは100%逆方向での演出。

かつて「黄変米」事件(知らないと思うが食糧不足で輸入したお米が古くなって黄色く変色してしまった事件)の際、当時の池田首相は自ら黄変米の「ライスカレー」を閣議で大臣たちと一緒に食べて「おいし〜!」と絶叫し、国民の啓蒙に邁進した。その心意気や、よし。アホ環境主義者の滋賀県知事は、県庁内で一度でもそのようなブルーギル、ブラックバス食事会を企画したことがあるのか? ないのではないか。小生は寡聞にして聞かない。

天皇陛下はみんなにブルーギルを食べて欲しいからこそアメリカから持ち帰ったのである。そのスメラミコトの有り難い御心を無にしてはいけない。

ブルーギルは、少なくとも鮒や鯉なんかよりは旨いと思う。ブラックバスにしてもそうだ。小さいときから魚は大嫌いで極力食べない散人が言うのは説得力に欠けるが、日本ではどこにいっても食べることが出来ないので、書いたもので判断するしかないのだ。要は調理方法だけの問題らしい。生魚をぶつ切りにして食うだけ食文化には向いていないのだが、油で炒めるとかフライにするととてもおいしいらしい。

グリッツ・グレーシャムの『バス・フィッシングのすべて』はとてもいい本。神保町の鳥海書房で見つけた(4000円)。古本屋でないと見つけられない本だが、バス釣りのほとんどすべてが書かれている。もちろん調理方法も。他にもいろいろ秘伝が書かれているが……誰にも話さないのだ。

Posted: Mon - November 12, 2007 at 07:12 PM   Letter from Yochomachi   Science   Previous   Next  Comments (14)

2007年9月27日木曜日

山中湖湖沼図を手に入れたぞ!



すっかりくたびれて東京に帰ってきたら、注文しておいた国土地理院作成の山中湖湖沼図が届いていた。インプレッシブ!

最近年のせいか運動するとすぐ疲れる。体力不足だ。来年大学を定年退官する友人が一緒にシルクロード走破をしようと誘ってくれ二つ返事で引きうけたものの自信がなくなってきた。何とかしなくてはいけない。しかし、届いた資料でいっぺんに元気になった。

国土地理院が作成した山中湖の50センチごとの水深等高線図(10000分の1)。細かな出っ張りや凹みの表示もある。水中植物や底質についての表示も。こりゃ便利。バスの気持ちになってどこに集まりたいか図面の上でじっくり検討し、その位置の経緯度をメモし、後はGPS魚探に目的地としてその場所をインプットするだけで、どこにいても自動的にその「絶好のポイント」に移動できるのだ。イヒヒ。

これは秘密兵器だから公開はしたくないのだが(山中湖村の図書館にもないし、釣具屋さんでも売っていない)大サービス。下記オンラインショップで買える;

http://www.mapshop.co.jp/

2007年9月24日月曜日

エレキ(バス釣り用の電気モーター推進装置)について勉強したことなど



土曜日に魚探を入れてエレキに取り付けられていた音波振動子と水温計を取り替え(コックピットで見る魚探の振動子と水温計はスターン下部に取り付けるが、バウデッキに魚探を移動させ釣りながら使用しようとすると振動子と水温計はエレキモーターに取り付けたものを使用しなくてはいけないから)。この作業以降、エレキがとんでもない挙動をするようになった。前に行こうとすると艇は後ろに行くのである。いろいろ勉強して、今日一人で解決。

散人の中古バスボートには米国 MotorGuide 社のフットコントロールタイプのエレキが付いている。多分並行輸入でボートと一緒に輸入されたものでアフターサービスは期待できそうにない。いろいろ問題があるので騙し騙し使っているが、どういう仕組みになっているのかいままで理解しないままに使っていた。昨日、さっそく魚探を試そうと「ママの森」の崖下に行ったのはいいのだが、崖の下までぎりぎり寄ってからエレキに切り替えたら、あらあら、艇を全くコントロールできない。後進しようとすると前進するし、左に行こうと思えば右に行く。水深は1メートルもないし、ゴッツイ焦った。幸い風向きがよかったのでなんとか崖下の危険地域を抜け出したが、どうしてこういうことになったのか分からない。

エレキの挙動を観察するに、なんかプロペラの向きが変わってしまっている。そうであればそれなりのやり方があるので、不便極まりなかったが昨日はなんとか帰港。いろいろ考えた上、今日問題解決。

エレキとは垂直に水面下に出し入れするシャフトの先端に魚雷型の電気モータで動くプロペラを取り付けたもの。コントロールは自動車のアクセルペダルみたいなもので行う。前に踏み込むと右に、後ろに倒すと左にプロペラの向きが変わる。同じ足で、スピード調整のダイヤルも操作する。こういう操作感覚はクルマなんかでは経験しないものであり、結構まごつく。だいたいその理屈が分からない。で、勉強。分かったことは:
  1. 垂直に水中に下げるシャフトは二段構造になっていて、上部のシャフトはバウのグリップに固定するので回らない。下半分のシャフトは上部のシャフトとは独立して回転するようになっている。その下部シャフトに魚雷型のモーターとプロペラが付いている。
  2. 上部シャフトの上にはコントロール機械を入れる細長いケースが付いている。この細長いケースの方向と魚雷型のプロペラの方向が同じかと思えば、そうではない。プロペラをデッキに格納するとケースとプロペラは全然別の方向を向いている。
  3. プロペラの向きは電気で動くのかと思っていたら、それまたそうではない。ペダルとメカニカルに連動しているのだ。ケースの方向とプロペラの方向は独立して自由に動くが、その時はペダルが少し動くことに気がついたのである。
  4. ということは、ペダルを水平にして、プロペラが後ろを向けばいいのだ。ペダル位置を水平に固定してプロペラを見るとなんと前を向いている。頭がこんがらがってしまったが、やっと分かった。前のオーナーはケースとペダルのケーブルのおさまり具合を考慮して、ケースを右向きに設置した状態でプロペラが後ろを向くように上部シャフトをグリップに固定していたのだ。魚探振動子の取り付けのとき、シャフトを取り外して付け直す際、ついケースを左向きになるようシャフトを固定してしまったのであった。動きが逆になる道理である。
  5. シャフトをぐるっと回してグリップに固定する。これで問題解決。

メカは電気と違って、目で見えるのがいい。こんなことで今日は一日楽しめたのでありました。釣りはお留守になった。

2007年8月26日日曜日

バスボートが届く:スキーター(SKEETER SS90)だ!


ボート免許証がようやく届いたというので昨日わざわざ山梨市までピックアップに行ったら、恰も良し、今朝バスボートが搬入された。見てください、このかっこいいボート:






今日は一日ボートに掛かりっきり。釣りどころではなかったのである。

3000回転ぐらいで恐る恐る滑走。すぐ時速25マイルぐらいなる。水しぶきで眼鏡が水滴だらけ。かまわず3500回転までに上げると時速30マイル。山中湖の小さな波でも半端じゃない衝撃。釣りを優先したフラットタイプのハルだから仕方がないのである。でもFRPにしてよかった(アルミだったらすぐガタが来ると言うことに納得)。それ以上は怖くて回転を上げなかった。

舵を切ると、結構スターンを外に振り出すようだ。ホーバークラフトと言われる由縁である。

ヤマハの90馬力2ストエンジンだが、山中湖では2ストエンジンが市民権を得ているので気にしないですむ。それほどうるさくはない。

エレキも試す。モーターガイドのフットコントロールタイプ。全然思う方向に進まないので、調べてみたら、ガイドのトップの矢印の位置設定が間違っていた。エレキは難しいのである。バッテリー並列の12ボルトは動くのだが、直列の24ボルトでは動かなくなった。バッテリーレベルOKなのだが、散人が何かヘンなことをしてしまったみたい。12ボルトで十分だから気にしない。

昼前、湖上でおにぎりを食べようと言って、カミさんと二人で出航。飛ばすともう二度と一緒に乗ってくれないことはわかっているので、2500〜2800回転ぐらいの滑走ぎりぎりスピードで走る。これはコントロールがとても難しい。滑走にはいると抵抗が少なくなり一挙に回転が3000回転以上に上がってしまうからだ。滑走は快適だが、波にぶつかるとすごい衝撃となる。カミさんの腰に障る。結局、微速で走ることにする。風下方向に微速で走ると、カミさんは風が止まって暑いという。とにかく難しいのである。でもヨットでは時間的になかなか行けないようなところにすぐ行けるので、満足していた模様。

モーターボートに偏見を持っていたことは反省。いつでも何処にでも行けるのは、モーターボートのよいところだ。いいですよ。

そういえば映画「黄昏」↓でヘンリー・フォンダが孫と乗っていたモーターボートは絵になった。クラシックだが、全速にするとすごくパワーフルなボート。老人は釣りをする。釣りにはボートが必要。団塊の世代向けのモーターボート販売は「ビジネスチャンス」だと思う。

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PS)「ロデオボーイ」というメタボ対策マシンが人気。乗馬のシミュレーターだが、バスボートに乗るのはあれと同じ。結構いい運動になる。

PS2)アルミボートの代理店である釣具屋さんに「ごめん、FRPの中古にした、でもスピードが出すぎて怖かった」と報告すると、「全然いいですよ、やっぱり大きいのがいい、スピードにはすぐ慣れて、いまにもっと馬力のあるエンジンが欲しくなりますよ」とのご託宣。みんなどんどん「病膏肓」にはいるらしい。

2007年8月24日金曜日

総和工業の鋳鉄製ストーブを入れた!


今度山中湖に来るときには寒くなっているだろうから、いまのうちにストーブを取り替えることにした。総和工業に電話すると、埼玉県からすぐ取り付けに來てくれた。圏央道のおかげで埼玉県はとても近くなったのだ。このストーブ、ホントにお奨め。とにかくかっこいいのである。写真:







この重厚感がなんとも言えない。外見はまるで薪ストーブだが、燃料は灯油。室内の空気を取り入れ灯油を燃焼させ煙突から排気を出す。煙突と本体の輻射熱で室内を暖める。煙突ストーブの特性として換気性能も備わっている。詳しくは:

薪ストーブ型石油煙突ストーブはカッコがよくて、機能的にも最高の換気装置だと言うことなど  

煙突は古いトヨトミストーブのものだが、総和工業のストーブにも転用可能(アジャスターを付ける)。温度調節ダイヤルやスイッチ類は下部の灰出し扉を開けると現れる。ふいごや火箸などを置いて誤魔化すとまるで薪ストーブじゃ。炎もなかなか雰囲気がある。

本当は薪ストーブが欲しかったのでいろいろ検討したが、経済的で且つ安定的な薪の入手は自分で山林でも保有していない限り不可能だとわかった。散人はそういう特権を持っていないので、より寛大なアラブさまに燃料供給をお願いすることにしたのでありました。

2007年8月20日月曜日

鯉を釣る老人


午前中桟橋に釣りに行くと先客が一人。散人みたいな老人だ。桟橋に座り込んで釣り糸を垂れている。見慣れぬ仕掛けなので「何を釣って居られるのですか」と聞くに鯉だという。


山中湖でも鯉の釣り師を見かけるが、何れもセンサー付き長尺竿を数本設置して、自分はその間キャラバン用のボックスカーで一昼夜でも待つというプロみたいな中年男ばかり。この老人の竿はとても短くオモチャみたい。もちろんセンサーなぞも付いていない。「昔ここで十匹も釣ったことがあるが、今日は釣れないね〜」という。餌は芋をまるめて使っていると。口が開くと前歯が一本だけ。こりゃ散人よりも年寄りじゃ(散人の歯は親知らず以外全部ある)。

風がないので直射日光が暑い。バスも食いついてくれずしばらく休憩しようとしたら、鯉釣り老人が「釣れた、釣れた」と小走りで竿にぶら下がったブルーギルを持ってくる。「竿を放置してたら針を飲み込まれてしまった」というが、小生もどうしていいかわからない。老人は無理やり針を力づくで外したためブルーギルは死んでしまった。「ブルーギルは殺してもいいですよ、あいつらブラックバスの卵を食べる悪者だから」と慰めておく。

そのうち風が出てきたので涼しくなった。バスを三匹ゲット。これでお終いにしようと片付けに掛かると、老人が大声で「ちょっと手伝ってくれ!」という。大きな鯉が掛かったが手網で採って欲しいと。大急ぎで側に行くと、老人は鯉を水面まで引き揚げているが、手網ですくおうにも片手では竿が保持できないようだ。責任重大だなと思ったが、たってのお頼みなのでタモで掬い上げたらうまく網に入った。立派な鯉。老人は「今日はこれでお終いじゃ」と大満足の様子。

「ワシは会津だから、鯉は食べる。鯉こくにしたらうまい」という。「僕らも食べますよ、おいしそうですね」と羨ましそうに言っておく。

日陰で休んでいると、老人が缶コーヒーを持ってきてくれた。さっきのお礼だとのこと。御殿場に住んでいてここまで20分だと。

昼になって、カミさんが持ってきてくれたCoCo壱番のカレーを食って、新聞を読むために図書館に。帰りがけに見ると老人は再び桟橋で糸を垂れていた。「今日はこれでお終い」でもなかったみたい。

中国の古いことわざ(注)を思い出した:

一時間、幸せになりたかったら
酒を飲みなさい。

三日間、幸せになりたかったら
結婚しなさい。

八日間、幸せになりたかったら
豚を殺して食べなさい。

永遠に、幸せになりたかったら
釣りを覚えなさい。

注)これは中国の古諺と伝えられているが、ホントは西洋人の釣り師が考えついた言葉らしい。なんでも中国3000年を持ち出して箔を付けるのが彼らのやり方。

Posted: Mon - August 20, 2007 at 05:52 PM   Letter from Yochomachi   山中湖  Previous   Next   Comments

2007年7月28日土曜日

ニッポンの海上衝突予防法は「国際基準」とちょっと違うらしいことなど(メモ)


ボート試験の受験勉強。教則本には日本の海上衝突予防法は国際ルールに則っていると書いてある:

海上衝突予防法(船の豆知識): "海上衝突予防法は国際規則である「1972年国際海上衝突予防規則」に基づき国内法として定められた、海上交通の基本法です。従って、各国ともこの国際規則に基づいてその国の国内法を定めておりますので日本船舶と外国船舶間でも同一の航法で衝突事故が防止されることになります。"
でも、どうもこれが怪しいようなのだ。

日本では漁船が国際ルール以上に保護されているのだ。これについては海上衝突予防法成立時点で国会で議論されている:
衆議院会議録情報 第080回国会 交通安全対策特別委員会(海上衝突予防法案): "青山委員 国際規則における第九条、たとえば(b)項、(c)項、これの主語は「長さ二十メートル未満の船舶又は帆船」、これが「妨げてはならない。」(c)項は、「漁ろうに従事している船舶は、」「他の船舶の通航を妨げてはならない。」と規定されております。ところが、国内法になってきますと、今度は主語が逆になっている。「航行中の動力船は、」「避けなければならない。」、「航行中の船舶は、」「避けなければならない。」そうすると、国際条約に全く記載されておらない条項が本文として載ってきている、そういうふうに理解するのですが、間違っておりますか。"

国際条約では明確に「狭水道では漁労船は本船を避航しなければならない」となっているのに日本の法律ではその辺があいまいになっているらしい。教則本を読んでもよくわからない訳じゃ。

もちろんこの背景には、ニッポンの漁業協同組合の既得権と政治力がある。この国会質疑記録の下の方まで読んでいくとよくわかる。

ちょっと勉強のしすぎだな。へんに勉強しすぎると○×方式の試験に落ちてしまうから、もう止めよう。

Posted: Sat - July 28, 2007 at 07:00 PM   Letter from Yochomachi   山中湖   Previous  Next   Comments

2007年7月25日水曜日

薪ストーブ型石油煙突ストーブはカッコがよくて、機能的にも最高の換気装置だと言うことなど


蒸し暑い東京で仕事をしている人たちへの嫌味では決してないんだけれど(少しはあるかも知れないけれど)、山中湖では夕方になると肌寒くなってくる。前からストーブのことが気になっている。古いので買い換えの時期だ。少し調べてみた。


山中湖においてあるのは、トヨトミの煙突式石油ストーブ。トヨタ系のトヨトミが作っているだけに、質実剛健そのもの。デザインは安っぽいが機能は素晴らしい。北国では今でも圧倒的な人気を誇る。でもさすがに古くなって(30年)、燃焼筒にひびが入っているなど気になることが多い。買い換えたい。でも、もうちょっとカッコイイのがいい。

カッコイイといえば薪ストーブだ。自然派の人たちはこぞって賞賛する。でもメンテナンスがたいへんであるし(たいへんでないと言っている人はみんなウソツキだと思っていい。煙突からクレオソートが垂れてくるなど、半端ではない)。おまけに燃料費がバカダカイ。忍野のホームセンターでは薪一束800円。これでも安い方だ。普通は1000円。一晩で4束必要。一年で幾らになるかは算数の問題。アホらしい。ナチュラリストは林業関係の人とお友達になると安く仕入れることが出来るなぞ書いているが、そういう小賢しい手段は散人は嫌いだ。おまけに冬期に山中湖に来る際には、管理会社に事前に水道管を温めるために暖房を入れることを頼まなければならないのだが、まさか薪を燃やせとは言えない。

でも、ネットで調べると「薪ストーブ型石油ストーブ」というのがあるのだ。外観は鋳鉄製の薪ストーブ、燃料は灯油というもの。ちゃんと炎が上がって、薪を燃やしている感じだし、輻射熱や換気機能は煙突ストーブ本来の性能を備えている。埼玉県の総和工業という会社が一昨年開発し販売をはじめたストーブ。これはカッコイイ。

煙突式薪ストーブ型灯油ストーブ 

煙突式ストーブを入れる場合、ストーブ本体の価格より煙突工事費の方が高い場合が多いが、この総和工業の製品はトヨトミストーブの煙突をそのまま利用することが出来るという。工事費は半分ぐらいになる。これはいいな〜、と心が動く。

煙突式ストーブは日本では(特に都市部では)すっかり姿を消したが、機能的にとても優れたものだ。最近流行のなんとか式暖房機というものより遙かにいい。つまり:
  1. 煙突式ストーブは住まいの換気装置でもある。室内の汚れた空気を取り込んで燃焼させ煙突から排出し、室内気圧に負荷をかけることで外部から新鮮な空気を取り入れる(窓の隙間なんかから取り入れる)。これを半密閉型暖房装置という。専門的には第三種換気。理想的な換気装置でもあるのだ。「学校みたいでカッコワルイ」と女どもが忌避する煙突ストーブを入れると室内の空気が清々しくなり人は健康的な生活が送られるのである。
  2. 煙突が熱せられることでほどよい輻射熱が家中に回る。自然な暖房である。
  3. 夏の間ストーブを使わない間も、煙突がある限りこの換気装置が機能している。結露がなくなる。
  4. 欧米の住宅の基本は煙突(暖炉)。この換気機能を重視する伝統だ。ニッポンでは換気を無視して、やれ床暖房だとFFヒーターだとか、室内の温度だけを上げるだけの姑息な手段しか考えなかった。それが結露問題に行き着く。室内の空気も温度は上がるが淀んだまま。

煙突ストーブの欠点は、燃料問題。普通は石炭とか薪だが、上述したとおり、ニッポンの林業業者がぼるので薪の値段は天文学的な値段。だったら石油を使えばいい。総和工業はいい仕事をしていると思う。

(鋳鉄製と言うことであればトヨトミでも「アンティークストーブ」というのもあるが、これは煙突式ではない。単なるFF式ストーブ。煙突式アンティークは前は作っていたけど止めてしまったようなのだ)

2007年1月27日土曜日

「富士河口湖町は富士山世界遺産の登録地域から外して欲しいと言っている」(野口健)



週末になったから山中湖から東京に帰ってきた。東京では日経夕刊が読める。そこで目にしたのが、野口健 のこの記事。富士河口湖町の町長さんが公式に明言しているという。あらら、驚いた。

日経新聞「野口健のガイア礼讃」から部分引用:
富士山を世界遺産に、と声を上げれば地元の人も協力してくれると思ったら、それは甘かった。「世界遺産になったら規制ばかり増えて、今まで通り好きに商売が出来なくなる」という人たちの抵抗は根強い。実際、今回の暫定リスト入りに対し、富士河口湖町の小佐野町長は「開発への規制が増えると町民から反発が起きている。河口湖を登録地域から外すよう山梨県にお願いをした」と語った。環境問題は詰まるところ人間社会のドロドロとした部分に突き当たる。

やっぱり河口湖、商業主義の権化だ、という印象。この辺りについては、すでに書いた:

山中湖村と河口湖町はどうしてあんなに雰囲気が違うのか? 

ところが最近、河口湖では「環境を守るため」と言うことで、ブラックバス釣りを実質的に禁止する「ワーム禁止令」を発令。NHK山梨で詳しく報道された:

NHK山梨:河口湖でワームの使用禁止正式決定! 

一旦は納得した散人だが、テレビで見ていると、バス釣りを擁護するのはバス釣り産業で地元を盛り上げていこうという若い漁協関係者だけ。それに対して年寄りの漁協関係者は声を荒げて「河口湖の環境が問題になっているのだ!」と若者の発言を封じていた。これがどうにも気になっていたがようやく分かったような気がする。結局こういうことだろう。最近のブラックバスブームにかかわらず年寄り漁協関係者はバス釣りなんかには無縁だから、せいぜいワカサギ釣り用の俗悪なお座敷釣船を作って儲けることしか考えない。若者はそんなのには見向きもしないのであいつらの商売が減っている。儲けているのは若くてナウな漁協組合員ばかり。若者なんぞに漁協の主導権を取られてなるものかと環境問題を口実に一挙に反撃に転じたということではないか。いやはや老害だ。

現実には、河口湖の年寄りたちは環境保全論者なんぞではなく、富士山の文化遺産指定にも大反対なのだ。自分の儲けが掛かってくると、環境なんて二の次にして、とても商売にご熱心なのである。

今週、山中湖のホテルマウント富士に食事に行った。あそこからは山中湖ばかりじゃなくって河口湖も遠望できる。遠くにみえる河口湖は、湖岸沿い山肌が開発で醜く痛めつけられており、思わず目を背けてしまった。地元の利権者に自然を任せておくと、ニッポンの自然は著しく醜いものになってしまうということを実感。日本の自然は地元に任せておけば飛んでもないことになってしまう。これは今まで全国津々浦々で実証されてきたことだ。今回選挙対策がらみで決定した自民党政権による地元農業団体に「自然保護(農地と水対策)」との名目で地方に財政資金をばらまくという政策は、同じ過ちを繰り返すという意味で、とんでもない見当違いなのである。

Posted: Sat - January 27, 2007 at 09:32 PM   Letter from Yochomachi   山中湖   Previous   Next  Comments (2)