2007年7月28日土曜日

ニッポンの海上衝突予防法は「国際基準」とちょっと違うらしいことなど(メモ)


ボート試験の受験勉強。教則本には日本の海上衝突予防法は国際ルールに則っていると書いてある:

海上衝突予防法(船の豆知識): "海上衝突予防法は国際規則である「1972年国際海上衝突予防規則」に基づき国内法として定められた、海上交通の基本法です。従って、各国ともこの国際規則に基づいてその国の国内法を定めておりますので日本船舶と外国船舶間でも同一の航法で衝突事故が防止されることになります。"
でも、どうもこれが怪しいようなのだ。

日本では漁船が国際ルール以上に保護されているのだ。これについては海上衝突予防法成立時点で国会で議論されている:
衆議院会議録情報 第080回国会 交通安全対策特別委員会(海上衝突予防法案): "青山委員 国際規則における第九条、たとえば(b)項、(c)項、これの主語は「長さ二十メートル未満の船舶又は帆船」、これが「妨げてはならない。」(c)項は、「漁ろうに従事している船舶は、」「他の船舶の通航を妨げてはならない。」と規定されております。ところが、国内法になってきますと、今度は主語が逆になっている。「航行中の動力船は、」「避けなければならない。」、「航行中の船舶は、」「避けなければならない。」そうすると、国際条約に全く記載されておらない条項が本文として載ってきている、そういうふうに理解するのですが、間違っておりますか。"

国際条約では明確に「狭水道では漁労船は本船を避航しなければならない」となっているのに日本の法律ではその辺があいまいになっているらしい。教則本を読んでもよくわからない訳じゃ。

もちろんこの背景には、ニッポンの漁業協同組合の既得権と政治力がある。この国会質疑記録の下の方まで読んでいくとよくわかる。

ちょっと勉強のしすぎだな。へんに勉強しすぎると○×方式の試験に落ちてしまうから、もう止めよう。

Posted: Sat - July 28, 2007 at 07:00 PM   Letter from Yochomachi   山中湖   Previous  Next   Comments

2007年7月25日水曜日

薪ストーブ型石油煙突ストーブはカッコがよくて、機能的にも最高の換気装置だと言うことなど


蒸し暑い東京で仕事をしている人たちへの嫌味では決してないんだけれど(少しはあるかも知れないけれど)、山中湖では夕方になると肌寒くなってくる。前からストーブのことが気になっている。古いので買い換えの時期だ。少し調べてみた。


山中湖においてあるのは、トヨトミの煙突式石油ストーブ。トヨタ系のトヨトミが作っているだけに、質実剛健そのもの。デザインは安っぽいが機能は素晴らしい。北国では今でも圧倒的な人気を誇る。でもさすがに古くなって(30年)、燃焼筒にひびが入っているなど気になることが多い。買い換えたい。でも、もうちょっとカッコイイのがいい。

カッコイイといえば薪ストーブだ。自然派の人たちはこぞって賞賛する。でもメンテナンスがたいへんであるし(たいへんでないと言っている人はみんなウソツキだと思っていい。煙突からクレオソートが垂れてくるなど、半端ではない)。おまけに燃料費がバカダカイ。忍野のホームセンターでは薪一束800円。これでも安い方だ。普通は1000円。一晩で4束必要。一年で幾らになるかは算数の問題。アホらしい。ナチュラリストは林業関係の人とお友達になると安く仕入れることが出来るなぞ書いているが、そういう小賢しい手段は散人は嫌いだ。おまけに冬期に山中湖に来る際には、管理会社に事前に水道管を温めるために暖房を入れることを頼まなければならないのだが、まさか薪を燃やせとは言えない。

でも、ネットで調べると「薪ストーブ型石油ストーブ」というのがあるのだ。外観は鋳鉄製の薪ストーブ、燃料は灯油というもの。ちゃんと炎が上がって、薪を燃やしている感じだし、輻射熱や換気機能は煙突ストーブ本来の性能を備えている。埼玉県の総和工業という会社が一昨年開発し販売をはじめたストーブ。これはカッコイイ。

煙突式薪ストーブ型灯油ストーブ 

煙突式ストーブを入れる場合、ストーブ本体の価格より煙突工事費の方が高い場合が多いが、この総和工業の製品はトヨトミストーブの煙突をそのまま利用することが出来るという。工事費は半分ぐらいになる。これはいいな〜、と心が動く。

煙突式ストーブは日本では(特に都市部では)すっかり姿を消したが、機能的にとても優れたものだ。最近流行のなんとか式暖房機というものより遙かにいい。つまり:
  1. 煙突式ストーブは住まいの換気装置でもある。室内の汚れた空気を取り込んで燃焼させ煙突から排出し、室内気圧に負荷をかけることで外部から新鮮な空気を取り入れる(窓の隙間なんかから取り入れる)。これを半密閉型暖房装置という。専門的には第三種換気。理想的な換気装置でもあるのだ。「学校みたいでカッコワルイ」と女どもが忌避する煙突ストーブを入れると室内の空気が清々しくなり人は健康的な生活が送られるのである。
  2. 煙突が熱せられることでほどよい輻射熱が家中に回る。自然な暖房である。
  3. 夏の間ストーブを使わない間も、煙突がある限りこの換気装置が機能している。結露がなくなる。
  4. 欧米の住宅の基本は煙突(暖炉)。この換気機能を重視する伝統だ。ニッポンでは換気を無視して、やれ床暖房だとFFヒーターだとか、室内の温度だけを上げるだけの姑息な手段しか考えなかった。それが結露問題に行き着く。室内の空気も温度は上がるが淀んだまま。

煙突ストーブの欠点は、燃料問題。普通は石炭とか薪だが、上述したとおり、ニッポンの林業業者がぼるので薪の値段は天文学的な値段。だったら石油を使えばいい。総和工業はいい仕事をしていると思う。

(鋳鉄製と言うことであればトヨトミでも「アンティークストーブ」というのもあるが、これは煙突式ではない。単なるFF式ストーブ。煙突式アンティークは前は作っていたけど止めてしまったようなのだ)