2005年4月23日土曜日

山中湖:「ママの森」とは、たいへん由緒ある名前だった!

山中湖北岸の長池地区に「ママの森」と呼ばれている場所がある。富士山の眺望が一番いい場所として知られているが、この名前はいかにも「今風」であり、てっきり女性客狙いのネーミングだと思っていたが、大間違いだった。太古の昔からそう呼ばれていたらしい。

別エントリーで紹介した「富士五湖百へぇ〜!」に書いてあったが、「ママ」とはアイヌ語で「崖」を意味するとのこと。でも本の編集者は、同時に戦時中長池に住んだ世界的プレマドンナ三浦環の「マダム・バタフライ」に因むものだとの別説も紹介しており、どっちが正しいのかよくわからなかった。

ところが今日借りてきた『山中湖村の史話と伝説』(山中湖村教育委員会編)に次のような伝説が紹介されていたのだ:

  • 音吉じいさんの大鹿撃ち(坂本諏美男)。四代から五代前の音吉じいさんが、「大まま(ママの森)」で鹿を仕留めるお話し。
  • 兵四郎の金っけつ(坂本諏美男)。長池の「大まま」の手前の水ヶ窪というところ(いまの大池?)でカッパが出た話。

土地の古老が昔から「大まま」という地名を使っていたのである。「ママの森」のママは、パパ・ママのママでも「マダム・バタフライ」でもなかった!

前掲書によると、すでに縄文時代から長池に人が住んでいたとのこと(長池遺跡)。アイヌ語の地名が残っていたとしても不思議ではないのである。



Wikipedia で調べると:

まま - Wikipedia: まま、ママは、傾斜地、崖線、地形の崩れを指す上代日本語以来の日本の古語、現在の方言であり、その地形を持つ日本の地名の読みである[1]。普通名詞には崖の字を当てる[1]。地名・古称あるいは土地の通称・呼称等の固有名詞には真間、間々、儘、墹、真々、万々、ママ等の表記を当てる[2]。関東地方の地名に多い[2]。ママの下部には覆水による湧水が多く存在する。
と言うことらしい。

ちなみに「ママの森」は山中湖を訪れる人はたいてい一度は行ったことがあるはず。山中湖でただ一つ水面から崖が切り立っている場所。上には小さな駐車場と茶店があり、逆さ富士が楽しめる。


切り立った崖でありながらその下の水深は結構浅い。ディンギーなどで行くとセンターボードを擦ることがある。

Posted: Sat - April 23, 2005 at 05:32 PM   Letter from Yochomachi   山中湖   Previous   Next   Comments (9)  

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